自分が何にどう関心を示したかの記録。
2019年8月の読書記録
多分あちこちで書いたからここでさらに内容をなぞり直すことはせず、でもなんか別のタイミングで発作的に思い返しそうなので記録しておきますが、
8月もっとも興味深く読み下せたのは美学への招待でした。
本当にそうならないために予言を打つんだよ、みたいなセンテンスをこの夏なんかで目にした、
— 夜戦 (@yasen_chang) 2019年9月7日
それを受けたためと偶然にも豊かな予言的小説・歌詞に多々触れたがためとで改めてそれを振り返りたくなって、でもどこで得たものか思い出せなくて、
最近読んだ小説を片っ端から漁るついでに感想を書いている
これどなたか思い当たるかたいらっしゃいましたら、
そんな冊数読んでないはずなのに全然見つけられない……。
読書メーターに入れてない/入れられていないものについて。
全ページ読んではないので読書メーターに登録してはいないけれど、
文芸誌すばる2019年9月号にPeople In The Boxの波多野裕文氏と小説家の高橋弘希氏の対談が掲載されていて、そちらにも目を通しました。
多分音楽好きな人が読んだ方が楽しい記事だと思うけれどまあ、
文中に現れる新曲(懐胎した犬のブルース)が収録された新譜も発売となったことなので要チェックです(注: 以下少々ダイレクトなマーケティングが続きます)
取り上げられている楽曲の歌詞↓
People In The Box 空は機械仕掛け 歌詞 - 歌ネット
People In The Box 海はセメント 歌詞 - 歌ネット
People In The Box 懐胎した犬のブルース 歌詞 - 歌ネット
なぜ他のページにろくに目を通していないかというと、レムのソラリスを未読で積んでいるのにそれについてのいかにも興味深そうな談義が載っているから……(読めば?どちらも)
株式会社HANDSUMという謎の制作会社のクリエイターさん達が細々とTwitter上で連載しているがんばれアゲ2くんという漫画があるのですが、
なぜか紙の本としてまとめたものを制作されたとのことだったので入手して読みました。
なにひとつ責任は持ちませんが私は好きですよ、非常に……。
ちょっと前に読んでいた永島慎二のフーテンと今月読んだ石井さだよし・星野茂樹の解体屋ゲンはここのm7kenjiさんが教えてくださった漫画です。
作るひとの愛読書・愛聴盤はどうしてもその方への影響を想像しながら読んでしまうから、
並行した観点から認識できないのはわかっているが、それでも触れてしまうしだいたい私の世界をも広げてしまう
8月の読書メーター
読んだ本の数:14
読んだページ数:3367
ナイス数:8
美学への招待 増補版 (中公新書)の感想
近現代における美の観方の変遷、"芸術の哲学の中に美を置いて考えてきた"近代芸術から"美の中に芸術を位置づける"(P.X)への流れに主眼を置く / 1-8章は身近な観点("アート"及び"ミュージアム"という語句、コピーの価値、経験や身体のあることから成る美的感覚、現代芸術)からあたりをとって論を展開し、"芸術は知覚されるべきものから、考えられるべきものになった"(P.166)と解く / 9・10章はいまの美学への評価、特に10章におけるダントーとネハマスの似て非なる感触を媒介とし切り込む流れは読み込める
読了日:08月27日 著者:佐々木 健一
解体屋ゲン 3巻
読了日:08月17日 著者:石井 さだよし,星野 茂樹
解体屋ゲン 2巻
読了日:08月17日 著者:石井 さだよし,星野 茂樹
解体屋ゲン 1巻
読了日:08月17日 著者:石井 さだよし,星野 茂樹
COJI-COJI 新装再編版 3 (りぼんマスコットコミックス)
読了日:08月17日 著者:さくら ももこ
COJI-COJI 新装再編版 2 (りぼんマスコットコミックス)
読了日:08月17日 著者:さくら ももこ
COJI-COJI 新装再編版 1 (りぼんマスコットコミックス)
読了日:08月17日 著者:さくら ももこ
最後にして最初のアイドル (ハヤカワ文庫JA)
読了日:08月12日 著者:草野 原々
嫌がってるキミが好き(2) (リュエルコミックス)
読了日:08月08日 著者:鬼山 瑞樹
木曜日のフルット 3 (少年チャンピオン・コミックス)
読了日:08月08日 著者:石黒 正数
指の骨 (新潮文庫)の感想
太平洋戦争南方作戦にて設置された野戦病院を題材として書かれたフィクション小説 / 極限状態においても各々は日常的であろうとし、思いをもつ、だんだんわからなくなるのだと気が付いている状態、忘れてしまった状態、そのボーダーの可視範囲から離脱した状態、すべてに打ちひしがれる
読了日:08月08日 著者:高橋 弘希
服従 (河出文庫 ウ 6-3)の感想
もしもフランス共和国がイスラーム化したら?という仮定のなか想像力が羽ばたいていく / 日和観ても時代の激動はどこにもいかずに身の回りを取り巻く、良いと感じられるか悪いと感じられるかに関わらず単純に力場がそうさせるからこそ考えるための覚悟が要る / それにしても自身が打ち込んだものへの情熱を手放しつつあるタイミングで"第二の人生"を見出してしまうなんて、いかにもありそうで恐ろしいことじゃありませんか、個人にとっても集団にとっても
読了日:08月07日 著者:ミシェル・ウエルベック
CITY(3) (モーニング KC)
読了日:08月06日 著者:あらゐ けいいち
ニック・ランドと新反動主義 現代世界を覆う〈ダーク〉な思想 (星海社新書)
読了日:08月01日 著者:木澤 佐登志
読書メーター
夏休みの課題図書を手に入れた 岩波のこのシリーズ装丁がよい…… pic.twitter.com/pjHX6M25nP
— 夜戦 (@yasen_chang) 2019年8月3日
全30巻……https://t.co/SUYuNcdg1G
— 夜戦 (@yasen_chang) 2019年8月3日
→読んでない
取り寄せ分と追加分 pic.twitter.com/HxmKKGie7Z
— 夜戦 (@yasen_chang) 2019年8月7日
あまり興味のあるほうではないから断ろうかと思ったけど、ウエルベックがこれに包まれてるの想像したらちょっと笑えたのでかけてもらったリラックマブックカバー pic.twitter.com/vQmNQ9zH8S
— 夜戦 (@yasen_chang) 2019年8月5日
→こんなんやってるからある島の可能性をいっこうに読み終わらない、
一節一節が効くから仕方がないなとは思う
月に大まかな予算決めて本を買うこと、
— 夜戦 (@yasen_chang) 2019年8月5日
買った端から読み切るほど熱心にはなれてはいないものの、
手に取ったその自分の直感を全肯定してやる、そういう行為のうち最も誰の迷惑にもならないひとつだから多分良い
あと滅多に自分から投げない遊びのお誘いをスルーされた悲しみとか吸収してくれる
今号のすばる、絶対に手にしなければならないと思わせる名称が散らばっている
— 夜戦 (@yasen_chang) 2019年8月7日
ウエルベックの服従を読んだ、去年闘争領域の拡大を読んだときにもだったけど、非常に好きな性質の小説なのに読後は焦りにやられてしまう
— 夜戦 (@yasen_chang) 2019年8月7日
前職で最後の半年一緒に働いてた女性が『わたしは生物としての使命を棄てることができなかったから結婚をし、子供をもうけた』と書き仕事の手を止めずに語りかけてきてたことがあり、
— 夜戦 (@yasen_chang) 2019年8月7日
反論をしている自分こそ信じられないなって思ったことこの先も覚えていくのだと、感じたそのままを思い返してしまう
服従、内容自体はイスラームをなぜ内心からの恐れのもとに強さとして感じてしまうのか、白日に晒すようでいてなかなかエグかった、
— 夜戦 (@yasen_chang) 2019年8月7日
多分読む人の立場が変わると全然違う印象になるやつで、私は女性の立場で読むことを忌避した結果こうなっている
本質的にはかなり近いけど僕自身はわりとオプティミストでいて、その違いも生育環境など思い当たるところがままあり、ifの存在として認識している節がある、といったような上田さんの返答もまた
— 夜戦 (@yasen_chang) 2019年8月7日
どこまでも突飛な発想の双方に対して、これは私だと猛烈に感じる瞬間があるのはそういうことなのだと思う、猛烈に、の部分は彼らがけして捨てられない叙情性による加速が加担しているところでもありそうだけど
— 夜戦 (@yasen_chang) 2019年8月7日
縦書きになることによりまるでいびつそのものとなるこの名称に臨む pic.twitter.com/sA7Y6wN7q4
— 夜戦 (@yasen_chang) 2019年8月7日
高橋弘希さんの指の骨を読み終わった、2010年代の緻密な想像力と明解な資料のもと描かれた太平洋戦争、ニューギニア戦線の兵士の一人称、
— 夜戦 (@yasen_chang) 2019年8月8日
よう言われているけれど、見てきたみたいって後世の人間なら多分思う、
当事者になったらきっと頭に焼きつくであろうシーンを立て続けに描くからだそれは
新潮日本文学のシリーズ、全貌を撮り切るのは断念した pic.twitter.com/umcCXWm95L
— 夜戦 (@yasen_chang) 2019年8月10日
実家に筒井康隆のいくつかの単行本とカフカ全集あったから真に心の友なのはそのへんなんだろう、あたくしとの微細な差異
— 夜戦 (@yasen_chang) 2019年8月10日
一応父のか確認しに行ったら(新潮の)選集と箱男とエッセイ集(砂漠の思想)があったでしょうと返されておおとなった、私も集めた本くらいはちゃんと覚えていようと思った
— 夜戦 (@yasen_chang) 2019年8月10日
用いている物理化学生物あたりの理論そのひとつひとつは割と基礎的なものであるし、
— 夜戦 (@yasen_chang) 2019年8月12日
アイデア元のサブカルチャーもコアすぎないところを突いてきているのに、
それでもここまで書ける人間はこれまでにいなかったということこそが、草野氏が事件として一般に捉えられている現状の核を為している気はする
→読書メーターに感想上げるの断念したけど超楽しかった、楽しさに囚われているから感想を持てていないのかもしれないが
向こう3年くらいで継続すべきことのひとつとして、父親の実家の部屋に置かれている砂漠の思想を帰省の度1章ずつ読みすすめることを据えました
— 夜戦 (@yasen_chang) 2019年8月12日
夜戦ちゃんの秘密: ヤセンスキーは未読
— 夜戦 (@yasen_chang) 2019年8月12日
安部公房の砂漠の思想、今年のノルマ(第一章)をおさめた、初めて読んだ気のしないほど刷り込まれていることに気がつくばかり
— 夜戦 (@yasen_chang) 2019年8月13日
安心感すら覚えるくだの巻き方
放大1学期にて生物や線形代数など習い直してみて、何割も覚えてなければ覚えたところでそれを活用できるような道を拓けもしないわけだけど、それでもふと何かを考えたときに学んだいくつかの理屈が解釈を思いもよらぬ方角へ導いてくれることがあった、棚ぼたはまあうれしいものだと相場は決まっている
— 夜戦 (@yasen_chang) 2019年8月15日
今年7月に増補版の出た美学への招待にあった本筋に直接関係のないノートルダム大聖堂への言及、意味がある pic.twitter.com/ko1lL8lgqp
— 夜戦 (@yasen_chang) 2019年8月16日
#名刺代わりの小説10選
— 夜戦 (@yasen_chang) 2019年8月20日
闘争領域の拡大 / ミシェル・ウエルベック
タタール人の砂漠 / ディーノ・ブッツアーティ
高丘親王航海記 / 澁澤龍彦
女生徒 / 太宰治
風と光と二十の私と / 坂口安吾
森博嗣のスカイ・クロラのシリーズを入れたかったけどいまだにどれが深く刺さったのか自分でもわかってないので留保、それ以外の性質は盛り込めていそう
— 夜戦 (@yasen_chang) 2019年8月20日
上田岳弘、円城塔、伊藤計劃、ジョージオーウェルあたりが入ってくるのは今後10年あたりでなんだろうなあ
デミアン非常に強く打たれた小説だったけど10代のうちに読めなかったから一生こういうのに入り込んでいかない存在感として私の中での認識が固まっていきそう
— 夜戦 (@yasen_chang) 2019年8月20日
→このあたりまた買い直すからとひとにあげてしまうことが続いた時期がありあんまり手元にないと思っていたけれど、
そんな機会もなくなってきつつあってわりと揃っているな今、満たされているのに寂しいみたいなアレってこういうことなの(違うと思う)
美学への招待 増補版 (中公新書) / 佐々木 健一 https://t.co/6OMtemX5uA
— 夜戦 (@yasen_chang) 2019年8月31日
今月1番楽しく読めた、ここまで3冊ほど美学の本を読んできたけどこれ最初に読んでたらとっつきやすい反面イメージは固まってしまったかもしれない、参考文献に至るまで丁寧
父親の本棚というものに邂逅ができたことが、非常に嬉しかった8月でした。