あなたのノイズ、わたしのミュージック。

自分が何にどう関心を示したかの記録。

2021/1/15 People In The Box 「<< noise >> was NOT cancelled.」 感想

1/15に渋谷O-EASTで行われた、People In The Box(以下「PITB」と表記)のワンマン公演、
<< noise >> was NOT cancelled.」を観に行きました。



COCOAインストール確認、検温、チケットもぎり等のスポットを点在させ、
人が極力溜まらないように設計された入場工程。
パイプ椅子約350脚からなるいくつかのブロック、
映画館というよりかは体育館を彷彿とさせるその配置。
私の目の前、テトリスのSミノの形を保ったまま公演の終わりまで埋まらなかった4席。
『当公演は、感染防止ガイドラインに基づき……』のアナウンスを乗せ、
絶えずそよそよと、どこか牧歌的に吹きおろす換気の風。

マスクで口元を覆い、声を発さない人々の代わりに。
その箱を構成するあらゆるものが、時世を語りかけてくる。

COVID-19のもたらすリスク……感染経路、病床の逼迫度合い、経営・経済への影響、etc……それぞれについて知見が蓄積され、
エビデンスをもとに危機が語られるようになった昨今。
人々がいま抱えているのは、もはや未知に起因してなどいない、
ある程度わかっているからこその怖さ。


2時間弱ひとところに集まって、公演の場をつくる。
想定される影響はプラスにもマイナスにも、
それぞれ充分すぎる量の裏付けとともに存在しています。
判断の針は、両極の間で目まぐるしく振れていたことでしょう。


一介の観客にすぎないと自覚しつつも。
行くのであれば、2021年の1月に行われるイベントとして見えたものを、
あとに残されるものをなるべく逃さずに焼き付けようと思っていました。
PITBが演者としての責任を果たそうとしているのだから、
私は観客としての自分が果たせる責任を追い求めてみたい。

以下のライヴレポートは、こういった動機のもとに書かれています。

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AGRAVITY BOYS サブタイトル元ネタ集 1・2

まさかWJを定期購読するきっかけとなったチェンソーマンよりも先にアグラビの記事を書くことになろうとは……。


記事執筆時(2020年12月末)現在、週刊少年ジャンプにて連載中の、
中村充志先生によるSFサバイバルコメディ漫画、AGRAVITY BOYS。
綺麗な作画、テンポを崩さない程度を見極めつつ疎かにされないSF設定の堅さといった数々の魅力……
を食うレベルにスレスレの小学生男子ノリ(と掲載順)で毎号のように読者の心をヒヤヒヤさせつつも、
先日発売された2021年2号にて連載1周年を迎えました。
ギャグ漫画の多様な現在のWJ内でも屈指のくだらなさが、私にとってはたまりません。

www.shonenjump.com


定期購読が更新されたその夜のうちにはチェックするほど、毎号積極的に読んできていたのですが、
2021年3・4号に掲載された第49話のサブタイトルに既視感を覚え……。
もしかして音楽縛りか?と遡ってサブタイトルを確認していけば、
むしろどうしていままで気がつかなかったのか不思議なほどに偏った名作タイトルの並びが。
そのままSpotifyでプレイリストにしてみれば、清々しい朝にぴったりのさわやかさ。
とても「汚いアストラ」なんて通称がついた漫画のサブタイトル集とは思えない

このサブタイトルの件、軽く検索をかけてみると気がついている読者もちょくちょく見受けられたのですが、
1話ごとに元ネタと照らしまとめられているような痕跡がなかったため、調べたついでにざっくりとまとめ上げてみました。
あまり多くはないものの若干のネタバレになる回がありましたため、こちらへの掲載は執筆時に刊行されている分まで、適宜更新といった形で。
あと私自身の無知により、元ネタにまで辿り着けていない回もあります……情報お待ちしております。
(特にゲームや映画絡みのものには弱いです……)


今回はコミックス1・2巻収録分を。

  • 1巻
    • 第1話 ジェナダイバージョン3to1 ※未解決
    • 第2話 Downtown boys, Uptown girl?
    • 第3話 I'm Gonna Be (500au)
    • 第4話 gobbledigook
    • 第5話 Live to Tell the Tale
    • 第6話 Settler
    • 第7話 The district sleeps alone tonight
  • 2巻
    • 第8話 3 Trash Hyper Blues
    • 第9話 The Flame and the Arrow
    • 第10話 Blink of stars
    • 第11話 Fior Di Latte
    • 第12話 Brand New Sunset
    • 第13話 I Still Remember
    • 第14話 You! Me! Dancing!
    • 第15話 Heartstrings
    • 第16話 They Don't Care About Us
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2020/12/9 波多野裕文 「灯台」 感想

12/9、代官山の晴れたら空に豆まいてにて行われた、
波多野裕文さんのワンマン公演「灯台」を観に行きました。


今年1月に開催されたワンマン、「身体の木 / 記憶の森」と同じ会場での開催。
しかし設けられた客席は当時の半分弱(50席程度?)。
席を詰めて観た思い出を懐古しようにも、
あまりにも世が変わりすぎてしまったためにうまくイメージできず……。

楽しみにしていた演奏を観る期待感、それだけに因るとは思えない胸騒ぎを抱えながら、
静かに開演を待つ人々の気配がありました。


※以降、公演のネタバレがございます。
12/16の23:55まで、当公演が有料配信されています。
関心の高い方は、そちらを観てから当記事を読まれることをお勧めいたします。

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2020/8/1 People In The Box 「PITB acoustic 2020」(1部・2部) 感想

8/1、SHIBUYA PLEASURE PLEASUREにて行われた、
People In The Boxのワンマン公演「PITB acoustic 2020」の1部及び2部を観に行きました。


3月半ば以来となる、現地でのライヴ観賞でした……。
入場待機中に、スタッフさん達からドリンク代の用意をアナウンスされることにすら懐かしさを感じました。


安全が確保されているわけではない、
疫病の根絶にはまだまだ遠くある現在。
そんな渦中での開催ということで、数々の感染対策が講じられておりました。

今回の会場は小規模なホールであるため、
空調・換気の機構もライヴハウスと呼ばれる形態の会場よりは整ってはいるようでしたが、
それでも公演中に5分程度の換気休憩が設けられていたり。
ガイドラインを遵守したキャパシティの設定がされていたり
(原則ひと席飛ばしで観客を配置してありましたが、
配信カメラのための席の確保などもあり、より少なめに人を入れていたように思われました)。

観客には声を張り上げる行為の禁止、マスク着用、
入場時の消毒や非接触体温計による検温、接触や密集の回避などが要請され、
また運営の方々はフェイスシールドや手袋までを着用された上で、
観客の誘導や物販のやりとりなどに応じておられ、
1部で判明した入退場フローのわずかな不備を2部で解消し。
さらにはフライヤー(公演情報や物販情報について記されたチラシ)を介した感染を避けるためにその設置をせず、
入場列・グッズ販売列のそばに、フライヤーの情報を掲載したpdfを取得するためのQRコードが、
観賞する上での注意書きの張り紙の横に掲示されている……。

これまでにはなかった、これらいくつもの工程。
書き出しているだけでもどんよりくるので、
検討された会場やバンド運営の方々はなお苦心されたことでしょう……。



※以降、公演のネタバレがございます。
公演自体は昨日で終了しておりますが、8/3の22:00まではこの公演(2部)が、有料にて配信されています。
People In The Boxへの関心が高い方は、そちらを観てから本記事を読まれることをお勧めいたします。
キャパ5万(昼公演MCより)とのことですし、ぜひぜひ……。

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2020/6/24のFiction / Maison book girl

批評ではなく、その時々でその作品に寄せた関心事ばかりを記してゆく文章。


その発足から6年が経とうとしているグループ、Maison book girlのベストアルバム作品"Fiction"がリリースされました。

※以下は、サブスク等の配信にて(既に/これから)聴かれている方々を主な対象としてしたためました、なんとなく、
いや、できることなら今夜に、間に合って欲しいがために。

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