自分が何にどう関心を示したかの記録。
読書メーターに月まとめの機能があったので記録を再開しようと思いました、
それがあるならブログに載せる必要もないような気もするが
2019年5月の読書記録
漫画か小説がほとんどを占めている、
物語は収束に突き進む意志の強いものが多いので読みやすく、こればかりになるのはあんまりいい傾向じゃないように思う。
技術書は技術書典で買ったやつをぼちぼち、読書メーターには流石に収録されてなかった……。
Egisonという言語の本が興味深かった、エモい創世記。
あとすっきりわかるC言語入門もぼちぼち……だったのですがそれを買う原因となった放送大学の授業の方が先に終わってしまったので士気が下がりかなり半端な進み。
5月の読書メーター
読んだ本の数:15
読んだページ数:3577
ナイス数:17
順列都市〈下〉 (ハヤカワ文庫SF)
読了日:05月29日 著者:グレッグ イーガン
動物農場〔新訳版〕 (ハヤカワepi文庫)の感想
動物たちはなぜ救われなかったのか、巻末の序文案と訳者あとがきを読んでようやく把握した、筆者はジャーナリスト / 直接の形で正解が提示されないところまで主題に忠実でいて響く、ただそれはあくまでも『全体』の中に居続け理想を求めるのならばだと、現在であればそう読み解くこともできるのかもしれない。本来モリーや猫の振る舞いも他の動物達同等に、解として描かれたものではなかったのではなかろうか / おそらく放棄のできないテーマを起点とし、読み手は自身が身を置く社会について思索せざるを得なくなる、優れた古典だと思う
読了日:05月25日 著者:ジョージ・オーウェル
美学への手引き (文庫クセジュ)の感想
美・感性的なもの・芸術を対象領域におくことにより、『美しい』を論者自身や時代に依って大きく振れるその印象に振り回されずに見つめることができる、と知れたことが学び / 結論にて仮定された反論4について: 美学という語ができるそのずっと昔から美しいものは美しかった、それは未来においてもそう、その普遍的性質があるだけで美学は哲学にかかるべきなのではないかなあ、芸術の側が美学の視野から逃れようとすることができてしまうからややこしくなる みたいに考えてたらもっとスマートに回答がなされていた、結論だけでも読み応えある
読了日:05月25日 著者:カロル・タロン=ユゴン
順列都市〈上〉 (ハヤカワ文庫SF)
読了日:05月21日 著者:グレッグ イーガン
木曜日のフルット 1 (少年チャンピオン・コミックス)
読了日:05月11日 著者:石黒 正数
僕の心のヤバイやつ(1) (少年チャンピオン・コミックス)
読了日:05月11日 著者:桜井 のりお
CITY(1) (モーニング KC)
読了日:05月11日 著者:あらゐ けいいち
児玉まりあ文学集成 (torch comics)
読了日:05月11日 著者:三島 芳治
すべての、白いものたちのの感想
語り手には産まれて数時間で亡くなった姉がいる。数種の色味・質感で異なる白い紙の束からなるこの本のように、洗い流せないままの白い思考の集積地として彼女の生が思われる/祈るときの両の手のように、ある瞬間からぴったりと離れなくなり思えば思うほど離せなくなるような後ろめたさは、こんなに美しい形で残せるものなのか、と思ってしまった 現物を手にとってみてほしい
読了日:05月09日 著者:ハン・ガン
妖怪と楽しく遊ぶ本―日本人と妖怪の意外な関係を探る (KAWADE夢新書)の感想
絵巻、錦絵、双六、新聞記事……様々な媒体に残された妖怪達の軌跡/妖怪は架空の存在であるがゆえに、その姿やキャラクターの描写には時代を生きた人々の畏怖・羨望といった感覚が練り込まれている、どうやらかなり容赦なく/口伝から新聞へと、スピード面からもビジュアル面からも情報の質が向上したために話からまず地域差が消え、信憑性も消え、しまいには記事そのものが消えてしまったといった流れがなかなか切ない、いま栄えているものはもっと合理的に跡形もなく消えてしまうのだろうなと予感させられる
読了日:05月09日 著者:湯本 豪一
エロチック街道 (新潮文庫)
読了日:05月06日 著者:筒井 康隆
グラン・ヴァカンス―廃園の天使〈1〉 (ハヤカワ文庫JA)の感想
言うなればこの小説は作中に登場する硝視体、読者はその使い手それもすこぶる性能の良いそのもののごとく物語へと潜り込んでゆく、その善悪に蜘蛛の糸のごとくじわりじわりと追い詰められる残酷さ/描写、特に苦痛の描写、苦痛を裏付けるその形成過程の描写の残酷さ/単純に、役割があるということの残酷さ/それらを雨霰のように受けた読後には、『まだ視たことのないものが、好き……』というフレーズは絶望的な重みをもったものとなる、それでも好きだから飛び込んでしまうことを、みんな知っている
読了日:05月04日 著者:飛 浩隆
天国大魔境(2) (アフタヌーンKC)
読了日:05月02日 著者:石黒 正数
天国大魔境(1) (アフタヌーンKC)
読了日:05月02日 著者:石黒 正数
短篇集 こばなしけんたろう
読了日:05月01日 著者:小林 賢太郎
読書メーター
ハン・ガンのすべての、白いものたちのは翻訳大賞の候補作になっていて、なんで興味を持ったのかは忘れてしまったが授賞式後唯一手に取った作品でした、きっかけがどうでもよくなるほどの強さがある。
27日は翻訳大賞の授賞式へ、大賞はガルヴェイアスの犬とJR
— 夜戦 (@yasen_chang) 2019年4月28日
世界観も奥行きも、発表年も異なる作品であるが、書き手の主張に支配されきっていないことか共通点、との紹介(ニュアンス違うかも)、2作で風潮を語るのは乱暴かと前置かれてはいたけど実際それが求められているが故の結果でもあるよきっと pic.twitter.com/thjL2XEXBB
ペイショット氏がビデオレターでジョゼ・サラマーゴの言葉として引いていた『作家は自国の文学を作り、翻訳家は世界の文学を作る』に引きつけられたような頭でいま考えてた
— 夜戦 (@yasen_chang) 2019年4月28日
授賞式行ってよかったと思う。
漫画は感想書きづらい(画と内容とが揃って旨味が最大に呈されるものなので内容だけを抽出して曝露することに抵抗がある)ので読書メーターにすら感想載せてません。学びのありそうなやつはそもそも読まないし。
1冊挙げるなら児玉まりあ文学集成はいいタイプの雰囲気漫画だしいい雰囲気でもあるのでおすすめです。
そのほかにした放言の記録は以下。
グラン・ヴァカンス―廃園の天使〈1〉 感想 飛 浩隆 https://t.co/86ATQbqSjy #bookmeter
— 夜戦 (@yasen_chang) 2019年5月3日
AIとして登場する者たちは、人間の考える能力を仕込まれたNPCであって、定義上のAIとは違うものかもしれないね、とでも言っておけば小説といえどその辺気になっちゃう無粋な方々が手に取らなくても済むのかしら
技術書典で買ったfarmtory-labさんの本を読んでいた、衣食住を手近なテクノロジーを用いてアップデートする試みの記録 https://t.co/3kxYq0vZ6x
— 夜戦 (@yasen_chang) 2019年5月4日
技術書典の積み本シリーズ、Egisonという関数型プログラミング言語の本 ひとつの言語の開発史が載ってると聞いて言語自体は知らない状態で買ってしまったけど一喜一憂の格がちがくて面白かったhttps://t.co/Nky04POBva
— 夜戦 (@yasen_chang) 2019年5月4日
『科学の発展と表記法の進化は、表裏一体の関係にあると……』のあたりの考え方とてもわかる pic.twitter.com/NWCGlSAGI4
— 夜戦 (@yasen_chang) 2019年5月4日
今月はSFを買わないと心に決めて新宿紀伊國屋に赴いた pic.twitter.com/0ssMZQaaOt
— 夜戦 (@yasen_chang) 2019年5月8日
→ALTER EGOコラボのせいおかげでお家がハヤカワまみれになってます。
新書の棚に既視感ある名前の生物系の著者おるなと思ってたけど高専の時分子生物学を教えてくれた外部講師だった ブルーバックスのHPに連載がありいくつか読んでいて、滑らかに深く切り込み世界をみていける生物学の視界を魅力的だと思わせてくれる授業だったなあと思い出した https://t.co/L16TGL7OQb
— 夜戦 (@yasen_chang) 2019年5月8日
→ここまで持ち上げておきながらいまだに書籍買うてない。
妖怪と楽しく遊ぶ本―日本人と妖怪の意外な関係を探る (KAWADE夢新書) / 湯本 豪一 https://t.co/LUXZ4hAVCc
— 夜戦 (@yasen_chang) 2019年5月9日
(花魁を描いた錦絵について)『着物の柄には地獄のありさまが描かれているが、これは、自分の身の上を着物に表現した恐ろしいほどの諧謔精神といえよう』
すべての、白いものたちの / ハン・ガン https://t.co/EBl2qceGxU
— 夜戦 (@yasen_chang) 2019年5月10日
感想書いた、しかし、『まっしろな』ではなく、『しろい』を書きたかったという作者の言葉以上の把握を受け付けてはいない作品だな いつか訣別に効くであろう本
動物農場 / ジョージ・オーウェル https://t.co/88VevxEL5u
— 夜戦 (@yasen_chang) 2019年5月25日
平易なことば、現実に結びつけやすい構造で愚かを描写している、はじめから読まれるために書かれた作品
書かれたのは1940年代だけど、人間は恥ずかしい形で強かったり、弱かったりをし続けているからいまでも読めてしまうな
美学への手引き / カロル・タロン=ユゴン https://t.co/jF5L1ep31B
— 夜戦 (@yasen_chang) 2019年5月26日
美しい について考える学問が美学 だからその検討されるべき期間は古代から未来にまで、感性が記録される限り伸びつづけるわけなんだけど、美・感性的なもの・芸術を対象領域とすることでいくらか通して見つめられるようだ
各々の哲学者の考え方や、芸術家の作品については都度提示されるのでそこはともかく、哲学で用いられる用語を知らなさ過ぎたがために読むのが大変だったな、辞典がほしい
— 夜戦 (@yasen_chang) 2019年5月26日
今月は読み切った1冊がだいぶ重くすでにわりとへばっています、
リファレンスを求め村上春樹の小説に手を伸ばすことになりそうだけどその前の印象を残しておくのがその作品にとっては誠実な気がする。
ハーモニー新装版出るらしいのでそれとラギット・ガールも買うかな、某フェア対象とのことなので……。
あと美学をもう少し知りたいようには思います、深く進めるほどにはわかっていないので別の観点を取った論考を読みたい。
ちなみにタイトルの元ネタ、関係はあまりない。