あなたのノイズ、わたしのミュージック。

自分が何にどう関心を示したかの記録。

30DaySongChallenge(2020/4/12-2020/5/11) Day15-Day21

5/9の日中を使って書くつもりだったのですが、唐突な爆睡の機運が巡ってきたために諦めました。


第1回
osouonna.hatenablog.jp

第2回
osouonna.hatenablog.jp

今回はDay15からDay21まで。


Day15: Too Much / Kendrick Scott Oracle

選曲テーマは"A song you like that's a cover by another artist"。

観に行ったライヴでカヴァー曲が差し込まれると興味を掻き立てられるクセに、
音源として残されたカヴァーには何故か思い入れの深いものがない、
そのような自分の性質に今回はじめて気がついて結構びっくりしました。
ミーハーなんでしょうねきっと。

というわけで、ここでは最近いちばん感嘆したカヴァー作品をご紹介いたします。

Jazz The New Chapter(現代ジャズを様々な角度……それはときに時間的であり、ときに空間的でもある……から掘り下げ、かつ拡張してゆくような感触のムック本です。説明になってないと思うので詳しくはお近くの書店等でご確認ください)の1巻にて、
繊細にリズムを織り上げるドラマーKendrick Scott、その名と同時に知ったのがこちらのカヴァー。
聴いた当初は(お恥ずかしながら)Sufjan Stevensの原曲すら知らない状態だったのですが、
そのあまりにも不思議と流麗ではある深みに惹かれ、
カヴァーから原曲へそして再びカヴァーへ……と行きつ戻りつしてしまったことを覚えています。

こちらが原曲。スリリングな構成にもかかわらず美しい。

原曲もカヴァーも、別個のものではありながら等価に魅力的で、奥行きのある作りにて共通しています。どちらもお気に入り。
特に中盤以降、ひとときのクールダウン、さらにそこから終わりに向かうまでの波ある展開が、
原曲からカヴァーに帰ってきたとき、衝撃的でありました……。
単なるジャズアレンジに留めようとする意思が皆無な、丁寧に行われた原曲の解釈が結実しています。

……といったところで投稿日は満足していたのですが、
去年発表されたこちらのカヴァーにも(録音にまつわる情報を含め)沸き立ったことを後日思い出しました。

やはり丹念に為された(演奏技術が、みたいな話(だけ)ではなく)カヴァーが好きなのでしょうね。


Day16: Le Piccadilly / 作曲者: Erik Satie ピアニスト: Alexandre Tharaud

選曲テーマは"A song that's a classic favorite"。

私はけして英語が得意なほうではなく(盛りました、激無理です)、
今回のお題の指し示すところを測りかねてTwitter検索でカンニングするも、
"クラシック音楽のお気に入り曲"、"名曲として聴き継がれてきているものからのお気に入り"といった具合に解釈が割れており……、
(後者の解釈の方が信憑性が高そうではありましたが)
私はずるい大人なので、どちらも満たしそうな曲を選んでしまいました。

クラシック音楽に限らないのですが、
巨大な楽団によって演奏されるものとなると、どこを軸にして聴けるものであるのかを捉えられなくなってしまうためなのか、
よりシンプルな編成で演奏されるものを好みがちです。
これは今後しばらくの課題ですね……。

なかでもサティの作ってきたピアノ曲は捉えやすく感じられ(コンセプトにはクセがありますが、いやクセがあるからこそ?)、
10代の頃に父親のCD棚から引っ張り出してきて聴いたピアノ曲集の中では、ぶっちぎりのお気に入りでした。
(その頃それ以上の探究をしなかったことが悔やまれる、しかし数年前買ったピアノ曲の楽譜もいまだ紛失してしまっているわけだし、いまの私に当時の私を悔いる権限など恐らくない……。)

ピアニスト……というか演奏者に詳しくないため、Apple Musicで何人かの演奏を聴き比べてみて、
感覚的に好みであった、Alexandre Tharaudという方が演奏したものを選択しました。

変わった構成(ジムノペディが第1番のみの収録である等)のアルバム作品ではありますが、
気持ちが適度に乗りすぎずキレが良い演奏。
ピカデリーには特に映えるし、他の楽曲にも聴き応えがあります。

そういえばピカデリーを選んだ理由……短い楽曲ながらこの作家の茶目っ気を感じやすい……というのはもちろんありますが……ぶっちゃけこのゲームで使われていた記憶の強さのほうが……。


Day17: ホウキ雲 / RYTHEM

選曲テーマは"A song you'd sing a duet with someone on karaoke"。

私自身がとる歌への姿勢とか、そもそもの技量とかをまるで無視していいならこちら一択ですね!
子供の頃アニメのタイアップで聴いただけの曲ではあるのですが、それだけだったはずなのにいまだ記憶に焼きつくハーモニー……。

単なる3度とか5度とかのハモりではない声の重なりが恐らく好きで(音感がアレなので勘違いはあるかも)、
delofamiliaのdelight前半もかなり好みです。

あと(良い感じに)偏りのエグい弊タイムラインでは橋本絵莉子波多野裕文が大人気でして、
そちらからならば私はアメリカンヴィンテージを推します、
もはやデュエットという域に納められるものではないですが……。


Day18: Regret / New Order

選曲テーマは"A song from the year you were born"。

1993年生まれです。

この年のリリース、自分の趣味のうちで当てはまるものが絶妙に無かったため(これはどうだ!と思った曲のことごとくニアミスで心が折れかけました)、
選ぶ苦しみがさほどなく、なんとも言えない切なさが……。
しかし、90年代New Orderが唯一のオリジナルアルバムを出した年に私は生まれたのだと知れて、
なんだか無性に嬉しくはなりました。

あとU2のZOOROPAも93年でした、アルバム作品としてはこちらのほうが好きですね。


Day19: 葬列 / 麓健一

選曲テーマは"A song that makes you think about life"。

現在の私が把握し、そして私を強く引き留めている人生のある側面は、こういったところです。


Day20: 懐胎した犬のブルース / People In The Box

選曲テーマは"A song that has many meanings to you"。

正式な完成作であるところの最新アルバム作品、Tabula Rasaのリード曲を引きましたが、
このお題に関してはこの曲に限らず。

People In The Box・ソロ問わず、波多野裕文さんの携わったいちばん新しい音楽に触れる際には特に……なのですが、
非常に興味深い音楽のいくらかに対しては、そのものをまず曲として受け入れる、
といった(本来ならば当たり前の)行動が取れなくなるのです。
それが作者の思想・行動が濃縮されたもののように感じられてしまい、
それが世に撃ち出された意味から考えたくなってしまう。

こういった逡巡を行って(あくまでも私が勝手に)導出した作者の考え方が、私の感受性に突き刺さってゆく、
この状態はとても楽しいけれど、自我を見失わないよう、憧れに浮かされていてはいけないなとも同時に思わされています。

xtech.nikkei.com

(お題踏み倒す勢いで主観に満ちた宣言をしてしまったので……比較的最近の資料を。
世情に対する答えではなく、問いを突きつける力の強い作品を出し続けている、
波多野さんの姿勢が垣間見える記事であるかと思われます。)


Day21: She Lab Luck / THE NOVEMBERS

選曲テーマは"A song you like with a person's name in the title"。

お題に当てはまる楽曲は無数にあるにはあるけれども、
抽象的な楽曲のイメージを一点集中させる役割であるものが多い印象で(それこそが曲名の役割の多くを占めるものであるのかもしれませんが)、
これだというものがあまり思いつかないなかで、ふと思い出したのがこちら。

She Lab Luck → シーラブラック → Cilla Black
との捩りであると、昔何かで読んだような気がするのだけれど、ソースが見つからない……、
という旨をツイートしてみても、依然として情報は見つからず……。
有識者の皆様、有力な情報がございましたら、ぜひともコメント欄にでもお寄せください(こういうことをするような場ではおそらくない)。

こちらも投稿後に思い出した案件なのですが……。
曲名が人名が入っていることが重要だから、という理由ではないけれど、
ただ条件に当てはまり、なおかつ独特の愛らしさを感じて大好きな曲はメレンゲ(クボさんソロ時代)のチーコ。

不思議な物語!



ブログの更新は滞っていましたが、このお題の消化自体は毎日きちんと進められておりまして、
実は既に最終日までの曲目を固めております。
というわけで次回は(私からしてみれば)待望の最終回、期待は適当に乞う!



追記: 最終回書きました

osouonna.hatenablog.jp