あなたのノイズ、わたしのミュージック。

自分が何にどう関心を示したかの記録。

2019年11月のわたしのミュージック。

自分が何にどう関心示したかの記録。


Spotifyプレイリスト

11月、pot-pourri(リリース9月末だったけど)と長谷川白紙、Beckと期待を寄せていたあたりの新譜がことごとく良すぎてバグりました、何が?

長谷川白紙、個人的な体験ですが私の可聴音域に瑕疵があることを思い出させる(悪魔という楽曲、右からも左からも適切に聴こえていなければ満たない空間があるはず)ほどトラックの作り込みが緻密でいて、
アイディアの派手さや奇妙さを知識で纏め込む構築の技量をひしひしと感じました。
そして、そこまでの技術力があることを誇示するための音楽ではなく、聴くことをする人間の知覚に切り込むための音楽であったことが心を嬉しく揺さぶってくる。

Beckは先行配信からその全体像を全く想像できなかったのですが、静謐で切実な作品でした。
切実は割と常にある要素な気がしていますが、いやだからこそその切実に対するアプローチが都度異なるのだろうか……。
今作のように冷えた苦悩に沿った音楽は音楽なのに現実味があって、私自身がそういったものを求める傾向にあるのだろうけれど日常的な頭からも離れていかない。

pot-pourriは夏に一度ライヴを観て、それを踏まえて先行配信分を聴き返していても各楽曲で完結しているような印象が抜けていかなかったのでアルバム作品を受け入れられるかわからなかったこと、あと入手経路によって特典が異なるが故の混乱によって入手がだいぶ遅れ、結局レコ発数日前に購入したのですが、迷うべきではなかった。
楽曲を完成させる力と作品を完結させる力は確かに別物であるのですが、それぞれがそれぞれの方向性で研ぎ澄まされていてかつ相互に作用しているととてつもない破壊力を生み出すのですね……。
レコ発前に聴いておけて良かった、予習が安心感よりもスリルを引き出すほうに作用してきたこと、そうそうにない体験でした。

ノーマークであった新譜だとAnna MeredithとSean O'Haganがインパクトありました。
特に前者はここまで自分が積み上げてきた好みのセンスを言い当てられたような気すらした……。

スマパンのJellybellyはSPIRAL LIFEこれを聴いて、MansunのLegacyはORANGE RANGEこれを聴いて。 タイムラインでオマージュの良い悪いについての話が盛り上がっていたため。
ORANGE RANGE絶対Mansunに愛着無いだろとか言われてたけど、
ちょっと調べてみたところ2011年にフジテレビ(CS局)で放送されたMUSIC SOUP-45r.p.m.-という番組にて、NAOTO氏がルーツとして挙げていた45曲の中にMansunもちゃんとありました。選曲はFall Outですが笑

otn.fujitv.co.jp

※上記はその番組のサイト(https://otn.fujitv.co.jp/b_hp/909200077l.html)からアクセスできるリストです。
脱線しますがせっかく見つけたのでプレイリストにしてみた、Spotifyで拾えなかった3曲はその下にYoutube貼っておきます。

時の旅路 featuring INDEN / DJ KRUSH

Radical Star / Dry & Heavy

Lose My Breath / My Bloody Valentine

下記の記事みたいな形で、実際にMansunを挙げて解説しているような資料はすぐに見つからなかったから、一番にってわけではないのだろうけれど。

www.kkbox.com

というわけで有識者の方を募集しております、なんだ募集って、友達になってください……。

mastered.jp

OGRE YOU ASSHOLE出戸さんのミックス、michael bundtやArpはここで聴きました。
上記記事によると、今回のために1日ネットで調べて知った曲がこのミックスの大半を占めているとのことですが、
どれほどの経験を積めばこれらを1日で引き当てられるまでの嗅覚が身につくのだろう……。

Thurston MooreのLeave Me Aloneカヴァーはそれが行われたという事実だけでたまらなくなってしまってあまりちゃんと聴けていないかもしれない、聴けよ
ごてごてしたつくりではなくマンチェスターのミュージシャン達との演奏であるというのがまた、ささやかに敬意のあるやりかたで良いなあ。

Floating Pointsの新譜、全体を好きになるというよりいくつかのポイントでグッと引き込まれてしまうような作品で、
個人的には1・4曲目に射抜かれましたが、違う人が聴いたら違うところが発火点として作用するのかもしれない。
この誘引が適切に幅広く効いているからであろうと、ニッチさに不釣り合いなほど広く聴かれている状況について思いましたがどうなのだろう。
そうなのだとしたら全体的に精度の高い作品で、検知できるポイントの多い人のことを非常に羨ましく感じてしまう。

上記プレイリストに入っていたDif Juzはあまりにも構築が美しくて、ポストロック前夜となり得るくらい昔(1985年作)のものと知り驚きました。
4ADも概観すら掴めていない状態だなあ……。

Nils Frahm、新譜ではなく去年発のAll Melodyと同時期の作品をまとめたものであるようなので今年度新譜ベストに入れられないのが非常に残念……なほど良いです。
All Melodyが作り込まれた環境の中での実験精神を見せつけられるものだったので、対照して聴くとなお楽しいかと思われます。

Sister JugendのAstronautがCD化されたため、旧作アトムたちと併せて購入しました。
感情の吐露を描いていたとしても歌詞が歌詞としての距離感を保つ品の良さを、ブックレットを手元に取りながら聴いてようやく認識した、
今更そうなってしまうほどに楽曲自体が心地良い!
耳馴染みの良いキャッチーさを歪んだテクスチャでさらりと均す。

後半StereolabStereolabっぽいのが3曲くらい固まっているのはこのStereolabプレイリストの影響です。
聴き終わった直後はStereolabStereolabっぽいのとを聴き分けられるようになった!と思っていたのですがさっき聴き返したらまたわからなくなってしまった……。

高橋徹也さん、この一瞬たりとも無駄のない構成の新しい世界という楽曲にいたく感動してしまい、アルバムも通しで聴いた、3回くらいぶっ通しで

ameblo.jp

20周年盤発売のタイミングでご本人がブログにライナーノーツを執筆されておりました、こちらを読みながらの方がいくらか無用な深読みから解放されて聴き込めるかもしれない。


以下はプレイリストに含みきれなかったり、含んだ背景がちょっとややこいけどそれを含めて残しておきたかったりした要素について。

→NEO POP STANDARDのライヴ盤から1曲入れようと思っていたのにSpotifyになかった、Deep Blue Sea Flowerとか良い仕上がり。

Travel Sounds

Travel Sounds

→こちらはSpotifyにもApple Musicにも無かったが何故かアマプラ特典のサブスク配信では聴けるらしい、ORANGE RANGEのコンポーザーNAOTO氏の最も奇怪なサブプロジェクト。

このツイートにぶら下げる形で大興奮で困惑を綴っていますが(全部ここに掲載するのは諦めたレベルで延々とやってる)、
正直本当に聴かれてほしいがためにここまで書いたのか自分でもよくわからない。わからない……。

→PixelArtParkで購入したkyoheifujitaさんの作品。現物が良いので……HPにて委託先も掲載されておりますので……ぜひとも。

自己言及ソング People In The Box

twitter.com

メタ的な歌詞を持つ楽曲を募っていたimdkmさんのツイートをお見かけした、誇張なしにその瞬間木洩れ陽、果物、機関車とユリイカとまなざしが頭を過ぎったので……。
どなたかにご指摘されたか何かしらで主張されていたのか思い出せず拾い漏らしてしまったのですが、真夜中も当てはまりますね。
"誰かがギターを弾いている"


そのほか、ノイズまみれの言及の数々は下記にて。今月は多いぞ!

れみどり(@osouonna)/2019年11月 - Twilog


そらの孔分室: 音楽の書棚

読み応えのあった音楽関連のインタビューとかレビューとかについて勝手に読書感想文をつける試み。
しかし11月の私、元気な暇人だったのでやたらに読み漁っていたよう……12月現在の私は元気のない暇人なので特に言及したいものにのみコメントつけることにします……。

雲龍馬(polly) × 小林祐介(THE NOVEMBERS) 対談

qetic.jp

上記で影響元プレイリストの方は紹介しましたが、polly新譜制作を掘り下げた対談。
THE NOVEMBERS小林さんがサウンド面・バンドのコンセプト面に関わっていたことが紹介されていますが、
その関わり方が押しつけがましいものではなく、根気良くバンドの軸を洗い直し、彼等の主体性を高めるようなものであったことが分かる記事でした。
ただ、この記事を読まずして聴いたとしても、なんとなくそれを感じられる作品であるようには思われますが。

石野卓球 LUNATIQUEリリースインタビュー

fashionpost.jp

スピッツはなぜ「誰からも愛される」のか〜「分裂と絶望」の表現者

gendai.ismedia.jp

日本の音楽産業が危ないーー音楽プロデューサー・亀田誠治氏が説く“サブスクリプション配信の価値”

logmi.jp

logmi.jp

音楽のサブスク配信サービス、私にとっては手段のひとつとして、他の手段と同等に大切な存在です。
なので割と肯定的な感情でこの記事を読んでいました。

こんなところで書くだけじゃどうにも伝わりようがないけれど、求めることとしては作り手への還元率の向上(っていうかいまいちそのあたりの透明性が良くないのが気になる、サブスク以前からそうだけど)、
あと解像度の高い環境で再生されることを念頭に置いた音質の向上(amazonその方面に向いたサービス始めてるみたいですね、私は聴力悪い方なので利便性で別のサービス選択してしまってますが)あたりでしょうか……。

音楽と生活をめぐる旅。香川県へ移住したPeople In The Box波多野裕文を訪ねて

ongakutohito.com

ongakutohito.com

この記事を読んで以降、Tabula Rasaは作られざるを得なかった作品であると認識をたしかにしました。
聴いた後で読まれたほうが腑に落ちるかと思われます。
あと個人的には、私自分の性質を固着させたものと近い事案にぶち当たったひとである波多野さん(インタビューや連載で明かされている範囲でしか存じ上げていないながらこう表すのもアレなのですが)が、
自分のあり方を模索し続ける道を選択した結果いまこうして暮らしを立てているということに刺激を受けました。
事案後に選択した生き方は違うものだけれど、貴重なひとつのパターンを知ることができた、私はこのことを自分を生きる上での勇気に変えることができる。

かくありたいものです。

OGRE YOU ASSHOLE 新しい人 アルバムレビュー

www.ele-king.net

ele-kingで公開されていたレビュー文、読み解こうとする意志を感じるもので良かったです。
もっとこうやって思い巡らされるべき作品。

アンナ・メレディス、UKクラシックの俊英にして異能の電子音楽家に迫る

mikiki.tokyo.jp

Anna Meredithを捉えるのに非常に助かりました……。
たぶん私の調査力では劇伴作家としての意図とかまでは知ることができなかったと思われます。

諭吉佳作/menの本名は?調べてみました

ykcksk-men.hatenablog.com

多分私にはこの切実さしか彼女に共振できるものがない、それだけで彼女に惹かれる理由には充分だと思った。

ナツノムジナ×ピープル波多野の野外REC&対談 音が音楽になるとき

www.cinra.net

12月に企画されていたライヴに向けて打たれた対談企画。
ナツノムジナがPeople In The Boxのマインド面を継承した貴重なバンドであることが読み取れます(そのライヴで再度強く認識することにはなったので多少バイアスがかかった目で読み返してしまっているかもしれませんが)。


ライヴに行った日の感想

行ったライヴ

※複数組出演の場合は印象深かったものを掲載。

インスタに上げた感想は以下。

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2019/11/4 OGRE YOU ASSHOLE 新譜"新しい人"のリリースツアーファイナル。 . 惹き込まれるような深み、楽曲の構成や詞世界の置き方からなるそれらを新譜の発売以来延々と堪能しており、 その楽曲がどのように表現されるのだろうか、といった部類の関心はもちろんありました。 (ここで一旦新譜の話に逸れますが、"新しい人"のイメージのひとつとして挙げられていたウエルベックの素粒子、この小説を読んでなお"新しい人"側に観点を置ける度胸とセンスなど、 この作品はたしかに現在に発表されるべき作品であるのだと、これまで以上にその感覚を掻き立てられる性質に満ちており、 それでいて音楽の内からくる高揚を削ぐことはけしてない、2019年の音楽作品として素晴らしいものでした) しかしこの日の会場はEXシアター。 Peopleのライヴで1度だけ観に行ったことがあるのですが、そのときの音響や照明が非常に良かったため、 平時でさえライヴの高い構成力及び音響チームとの駆け引きによって観客の理性を吹き飛ばしがちな彼等が、この環境で何を起こすのか、 そちらを楽しみにする思いのほうが強かったかもしれません。 . 1音目から生命のリズムを日常のそれから自然にねじり引っ張りこんできた新しい人にはじまり、 hypnoticの耽美からスッと抜けるムダがないって素晴らしい、若干homely以前の雰囲気にも近いようなアレンジの本当みたい、 など曲単位で注目すべき点もあれば、 観客の高揚と鎮静を巧みに操るセットリストの構成、 高い天井を相まってか3次元的にぐるぐると巡る音響、といった具合に、 どの観点をも計上から洩らせやしない、いつもながら見所だらけのライヴ。 しかし、この日の髄は本編のクライマックスに。 . ありがとう→朝→見えないルールで着々と熱を高めたそのとどめにロングロープ。 そのラストで一斉に放たれた光は熱は音は、観客の感覚を洗い流し切った頃を過ぎてもなお、容赦なく叩きつけられたのでした。 今なお時間を越えてそのディテールをつぶさに思い出すことができるほど、執拗に。 ついにOGRE YOU ASSHOLEのもたらす体験は、即時に起こり処される熱狂の裡になど留めきれないものとなった……。 . これだけのことをしてやられても、会場を出たあとに身体や耳が痛むことなどなく、むしろすっきりとした心持ちをもたらしてくるのだからとんでもない。 ライヴバンドの極を更に先へ、先の地点へと押し広げてゆける存在のひとつとして、OGRE YOU ASSHOLEはこれからもあり続けるのだろう、と確信したのでした。 . ここまで書いておきながらアレなんですが年末のOGREは観に行けない……!悔しい 行ける方は体感したほうが良いです、ひとときたりとも同じ姿でいることの無いバンドなので……! #ogreyouasshole

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→上記を要約するとロープ眩しすぎでしょあんなん、となります。カメラ入れてたし映像化しますよね……?
EXシアターは天井が高い、音色達が縦横無尽に駆け巡っていてその混沌が気持ち良かった。

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2019/11/9 Pot-Pourri アルバムClassicレコ発ライヴ(&サイン会(?))。 . 音源では聴覚の、ライヴでは視覚のピントをとことんバグらせてくるバンド、Pot-Pourri。 夏に配信シングルSilkwormのイベントで観に行って、これは突き詰めきれないとわかりながらも深入りしたくなる底知れなさだ……と圧倒され、 それが先日発売のアルバムClassic試聴時に行動としてもあらわれ(一気に3周聴いて、その毎回で新規の慄えを感じるなんて!)、 もはや居ても立ってもいられなくなりました。 . この日は他に3組の対バンがあり、各々別ベクトルに観ごたえのある人々であったのですが、 音源でしか知らなかった服部峻さんのライヴがあまりにもツボで驚きました。 インダストリアルな音楽で、こういったジャンルの方だとわりとパフォーマンス的というかその場で鳴らされるということへの意識を重めに起いたライヴになりがち……って偏見(たぶん)が強かったのですが、 服部さんの場合、曲と同期したVJがあったためもあるでしょうが、曲ごとに世界観の一応の完結を設けていたように見て取れました。 繋ぎ自体はシームレスなのですが、ただいまたしかに曲が変わったな、というのを音だけでも十分に認識できる、みたいな……。 音自体も耳に痛みを残すタイプの攻撃性ではない(神楽音の音響がバランス良かったためもある?)ため、真剣に自身の音と向き合う服部さんの緊張感が伝播するフロアを体感しやすかったです。 また観たい。 . Pot-Pourri。 セットリストがアルバムの曲順通りであることには割と早々に気がついたものの、 プログラミング&マニピュレート担当のNagaiさんの思考、 及びキメや入りのタイミングをふっとした所作で発するsawawoさんの思考が見えてこず、 終始次の展開にワクワクとし続けていました。 品があるのにどこか露悪的、その二律背反を器用に制御しアクセントの鞭として振るう…… 端的に言うと、魅せるのがうまい(語彙の喪失)。 その場では説明がありませんでしたが、小休止としてメンバーが一旦舞台から捌ける間を挟んで前半4曲、後半4曲とした本編の構成も良かった、 音源よりも実演のほうがどうしてもスリリングになりがちですからね。 . ライヴでひと通り実演がなされ、本来なら解像度の高いレンズを得た状態であるはずなのに、 いまひとたび音源に立ちかえると、混乱していた視野により深みが加わっていて、なおも楽しく迷い込めてきて……。 去年のPeople In The BoxのWeather Report再現ライヴでも同様の症状が現れていた、いや現在進行形でいるのですが、 我を見失わなければ迷子にはならない、見失うほどに聴けるものでなければ迷子にはなれない、 私の認識においては自明ではあるそのことを多角的に補強してくる作品と体験に新しく出会えたことを嬉しく思います。 . 神楽坂、始めて行ったけど不思議なところ。 #potpourri

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2019/11/10 崎山蒼志 新譜「並む踊りたち」のリリースツアー東京公演2。 . 並む踊りたち。 前作からさらに拡張された、楽曲を具現する手法の探究心、 また同世代で間違いなく新進気鋭と称されるであろうミュージシャン達との共作といった要素により、 明確に刺激的な作品となっていたこの作品が、果たしてライヴでどのように表現されるものかと、 不安と期待半々のままこの日を迎えました。 . 蓋を開けてみれば、もはや彼は次なる探究の道へとっくに踏み出していたのでした。 おそらく毎度のことではありますが、既存曲は現在の最新版に叩き上げられて供されていて、 新譜の楽曲にも見劣りしない強度を、今ある曲のそれとして示してくる(懐古を差し込む隙すらも与えない)。 そして、それらを練る過程でついた力をもって作られた新譜の楽曲、及び新曲(リリースツアーなのに!)は当然のように強いものとなっており…… なんだか永久機関を説明しているみたいになってきたな……。 . その機関から飛び出せる試みであったと個人的に感じられたのは、 エレキギターにリバーブをかけ、別の透明感によって描き直された夏至。 これがまたひとつの転換点となるのではないか、5月の浜松でVideo of Travelを観たとき以上の予感がありました。 . 今回の客演は長谷川白紙さん……のみであったはずが、アンコールでは急遽諭吉佳作/menさんも壇上に。 3人で披露されたのは「むげん・」、諭吉さん色に染め上げられた楽曲、という時点で難易度の高いこちらを白紙さんが解体・再構築し、 その新たな道を崎山・諭吉の両名があらためながらたしかに突き進んでゆく。 特性のまるで違う3人が手を取りながらせめぎ合っている様、観客からしたらこれを目撃できたことは非常にラッキーでした。演奏者にとっては緊張感えげつなかったでしょうが……。 しかしピリピリしているようには感じられなかったのは、各々が各々へ抱くリスペクトを隠せない、その純粋さの波長が合っているからなのだろうなあ……。 (本編での白紙さんとの共演後、転換を待つ崎山さんのMCで白紙さんの楽曲を初めて聞いたときの衝撃、本当に嬉しそうに悔しそうにしていたのが印象的だったというのはあるかもしれませんが) . 佇まいからも緊張以外からなる集中がみとめられるようになってきていて、それは健全な成長の過渡期に存在しているのだなあという感慨を呼び起こす姿でした(何目線なんだ)。 来年以降も、彼の発展が伸びやかになされる環境が保たれていくと良いなと、密かに強く願っています。 #崎山蒼志

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2019/11/11 THE NOVEMBERS ネオトーキョー。 . ワンマンにはANGELSツアー以来。 他で観たのもTOMOEと全感覚祭であり、 音源でも気に入ってリピートしていたのがTODAYとANGELSばかりだったため、 年に一度のバンドにとって重要な日のライヴを楽しめるかとなると、少し自信がありませんでした。 でもその数回で体感した今のTHE NOVEMBERSならそんなん杞憂にブチ転がしてくれそうだという過度な期待もあり、結局そちらを信じることに……信じてよかった。 . 個人的なハイライトは"みんな急いでいる"。 前曲Dream of Venusからの緊張感を引き継いで、 ぎりぎりのところで平静のままでいるかのようなこの楽曲にはさらなる重みか課されていました。 客もどこか固唾をのんで見守る、それが高まり静かなのにバンドを食い入るように見つめるようになり、 バンドも優雅なストイックさでそれに向き合いーー 最後同期で流れ続けるピアノと小林さんの歌が鳴り終わったところで、会場全体に重く暖かい沈黙が降り立つ。 美しい瞬間でした。 1日のようにじわり移り変わる照明も良かったですね、2番からの朝靄のようなときが特に……。 . また、企画名にもなっていたNEO TOKYO。 本編で披露された同名曲はTOKYOとAKIRAの金田のテーマのミックス……!? 文面だとなんだそれは、でしかないのですが、 メンバーのルーツをいま一度馬鹿正直に咀嚼して新たなかたちとして組み上げたのが今年出た新譜のANGELS、それがあった故の納得感からか、 あと単に土着的なビートで踊らせてきたのにブチ上がってしまったのもあるでしょう、 意味を求めていくことすら放棄し、あまりのかっこよさに笑い声を上げながら腕を振り上げていました。楽しかった! そして取ってつけたようなダンスミュージックの形を取るのでは(もちろん)なく、THE NOVEMBERSが率先してフロアを踊らせてきたという事実が私の中では衝撃で、 そんな打ちのめされきった演奏後に"これからどんどん面白くなっていきますので"と真摯に宣言をされてしまうと、やはりこれから先も信じていくしかなくなってしまうわけで……。 . THE NOVEMBERS、昔から度々触れてはいたものの心底惚れ上げたのはTODAY→ANGELSを打ち出してきたここ最近ではあるのですが、 叩き直された過去作も新譜曲とはまた違う色味を出せるものであって、 ANGELSツアーのインパクトより厚みのある満足感を得ました。 来年も観に行けるといいなあ……去年はPeopleのベーシスト企画と被ったんだよなあ……ベースの日……。 . あともうこれは観に行くたびに言ってるかもだし多分これからもそうなりますが、 ケンゴマツモトかっこいいだろ!!なんだあれ!!!!なんでリードギターなのに(ですよね?)殆どの場面で飛び道具的用法なんですか!!!それでいて本編ラストの今日も生きたねでしっとり弾き上げるみたいなのは……本当に本当にずるいんですよ…… . 以上です。 #thenovembers

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2019/11/15 People In The Box Tabula Rasaリリースツアー、台風19号の影響による振替公演、及びツアーファイナル。 . People In The Boxへの感謝がおさまらなかった、ただそれだけだったのだと思います。 わたしが山形にまでやってきた、その理由は。 . 先月のLIQUIDROOMとは打って変わって、250人くらい入ればわりとしんどい密度になるかな?って規模の小さなライヴハウス。 ドリンクカウンターもなければ、ギター側には舞台袖もない。 高めの天井にはかつて起こったのであろう雨漏りの痕跡すらある。 しかし、開演前にハコのスタッフの方が外の広場にきちんと人数ごと区切って観客を整列していたり、 ひとりひとりにライヴ前後の注意事項を記したプリントを手渡していたりと、 着実で丁寧な運営が積み重ねられて維持されてきた場であることが、スタッフさんたちの行動から伝わってきました。 こんなにも早期に振替公演が実現したのは、バンド側とハコ側の意志の足並みが揃っていたから、なのかもしれません。 . セットリストはLIQUIDROOM公演と同じ。 しかし、リッチな音響ではなかったがゆえに、LIQUIDROOM公演を上回る臨場感で、楽曲や演奏の強靭さをとくと味わうことができました。 去年のKodomo Rengou横浜公演や、La.mamaのイベントの際にも感じましたが、 Peopleはそもそも鍛錬によって感性や技術を叩き上げた各人で構成されているがゆえにフィジカル性の強い演奏ができるバンドで、かつ役割の配分が巧みなので、 非常に心地の良いスリリングさのあるパス回しを見ているかのような気分になるのですよね、シンプルな環境で見ると。 バンドアンサンブルの可能な最小単位で続けている意味を肌で感じられるというか……。 その観点で印象的だったのは、抑制された味付けのリズムを対照として波多野さんのギターフレーズ・音色がじわじわと変形していく泥棒。 耳で追える軸がベースからドラム、ドラムからギター、そしてサビで斉唱される"ようこそ間違いの国へ"へと、代わる代わる継承されてゆく無限会社。 リズムの起点・終点が各部でわかりやすく、そしてそのひとブロックごとの構成も捉えやすいからこそ複雑さにおののく、風景を一瞬で変える方法(とくに同じ?タム回しの響きが放たれたときのギターやベースの動きによって異なる印象を与える各サビ前の展開が!)。 . また、ステージ高の影響か、各メンバーが行う演奏時の工夫、聴いたときの質感の変化に影響するであろう部分への取り組みを見い出せて、満たされる知識欲。 いきているのときスネアを叩く側のスティックのみ上下を逆に持って、太い方で叩いているのとか。 もう大丈夫で最初にギターのフレーズをループさせる際、最初に録ったフレーズを流したままもう一度重ねているのとか。 演奏を、演奏である意義を保ったまま"創って"いました。 . 序盤のMCでツアーファイナルがこのような若干イレギュラーな形となったことを、Tabula Rasaをリリースする根本となった思想に重ねて納得をする波多野さんは、喜んでいたように見受けました。 できる演奏を最大限の精度で打ち出す、それはいつもどおりのPeople In The Boxの姿なのですが、 この日の一瞬一瞬は、まるでその言葉を証明する一文一文のように、欠けてはならないものとして映りました。 素晴らしいライヴでした。 . 字数が足りなくなり、また以降は割と個人的な内容なので、コメントに続きます。 . ちなみに3枚目の写真は買うべきものがわからなくなって手に取ったRabbit Hole。 思えばこれだけ中古で買ってたからちょうどよかったかも。 #peopleinthebox

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→山形のツアーファイナルに行ったこと、なにより自分にとってとても良いことになったのがよかった。
この日のPeople In The Boxのありかたが私の当面の目標です。

→麓さんのも土井さんのも感想上げてなかったけどセットリストは残してあった、それでいっぱいいっぱい
柔らかく胸を打つ音楽のあったこの二日間がまたありがたかった。


休職し始めだったこともありエネルギーの有り余っていた月でした、自分の関心を追い直すのが大変だった……。